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魔法の姫君とはんてんの騎士(アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部) -127-

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 船長の操作で画面が変わって。
「さっきのヘリコプターの運用歴だ。我々がマラッカ海峡にいたタイミングで……そばの島に来て戻っている。乗せる荷物を横取りされて引き返したのだろう」
「つまりそれは……人身売買船の行き先が……」
「奴隷商法ではなくブラックウォー島の、研究所と称する施設だろ。人を攫ってきて、つまり秘密にしてまでやりたい研究って何だろうね」
 相原は言い、レムリアは奥歯を噛みしめた。
「人体実験」
 アルフォンススはゆっくり頷いた。
「その通り。特定の人種を抹殺しようとしたとき、核爆弾による破壊では同胞も殺してしまうし、その土地が使い物にならなくなるのだよ。最も、ホロコースト礼賛系統はそれが目的の節はあるがね。すると?」
「この研究所では病気と治療の研究と見せかけてその真逆、特定の人種にのみ伝染し死に至らしめる病原菌兵器を開発している」
「ご明察。従ってこれから研究所を破壊するのが我々の責務だと自認するが、応じて多くの人々が深刻な状態で君の助力を必要とするだろう。ただそれが君の心身に深刻なダメージを与える可能性を私は危惧する。なので君に選択の余地を与えたい……」
「行きます」
 レムリアはアルフォンススが全部喋る前に言った。
「救える人を命を救う。無碍にされる命はあってはならぬが私の信念。私がこの船に乗ったのは、奇蹟を起こして命を救うためです」
 真っ直ぐ答える。心傷付いてナヨナヨしている時間はもういい。
 許せるかそんなもの。自分は最早、目の前で誰かに死なれても平気なメンタル。
「よろしい。副長、シュレーター、船内を任せる。他はそれぞれウェアに着替え、銃器、装備を持って昇降ゲートへ。目標建造物は鉄筋コンクリート3階建て。屋上ヘリポート部より強襲する」
「了解です」
「アイ」
 透過シールドで姿を隠したまま接近する。それは青い海に浮かぶ絶海の孤島であり、豊かな緑に囲まれた清潔な白い病院という体である。至って普通であり、怪しさのカケラもないように見える。小規模な港まで道路が通じる。見て分かる人工構造物はそれだけ。レムリアの知る限り、島が丸ごと病院施設で、自然の中を歩いて日光浴と海水浴と、安らかな時間の流れを……みたいな案内がされていた。
 突如姿を現してビルの上に船体を降ろす。スロープを下ろし、〝殺人研究所〟ビル屋上に降り立つ。
 まだそうと信じられないが。
「迎撃無し。敵味方識別装置反応無し」
「籠城して待ち伏せか?」
 以上双子から。
「レムリア。君の端末に環境データ、すなわち放射線、ガス、細菌、ウィルス等の検出状況が表示される。我々は武装と攻撃の無力化に徹する。要救護者の発見に全力を挙げてくれ。都度で君に手を貸す」

(つづく)

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