魔法の姫君とはんてんの騎士(アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部) -125-
「抗いようのない命を弄んだからだろ。しかもリアルタイムで意思を通じている相手が。君が優しい証拠だと思うぞ」
「なのかな」
確認しながら思う。自分、出会って2回目なのに全部晒している気がする。その中で事実ひとつ、この男は自分の全てを肯定してくれる。
アルゴメンバーと彼がちょっと違うところ。能力を発揮して所要の結果を出せ、に、対して、女の子メディアとしての個性や価値観を押し殺すな。
「船長……アリスやラングが顕著かな。銃口向けられても面白がってる節すらあって、冗談で笑い飛ばそうとする。あなたもそうみたい。対して私はこの船で活動していて笑ったことは無いかも知れない」
すると相原学はちょっと顔を近づけて来た。
じっと目を見られる。
「自分で自分を責めるクセあるか?良くないぞ。君は君なりの方法で命のアシストすればいいじゃんか。俺たちがへらず口をたたくのはそうやってカッコ付けるのが男だからだよ。デケェ銃を担いでガシャンおら掛かって来いや!映画で見たそれが実際出来るんだもん、やるさね。そんだけさ。真似する必要は無いし、そうあるべき、ってわけじゃない。だから無理して笑うな、だよ」
相原は手のひらで頬にそっと触れた。
「あっ」
その〝大きな熱さ〟にびっくりして声が出る。
「多分、俺たちは巨大な陰謀のしっぽを捕まえた。それは世界を守るようなことをしている。そういう自覚をオレは抱えてる。必要としてもらえた喜びにこの身が熱い。それだけさ。大きな悲しみを突き止めて、解決して、なぁ、一度東京に来てみないか?」
「え?」
意表を突いた言葉にレムリアは驚き、そして笑みを作った。
「ナンパ?デートしろ?」
「そういう言い方もあるな」
張り詰めていた自分の肩の力を抜いてくれた。レムリアは理解した。
「それにはまず、この白亜万歳の連中が何をしていたか、何をしようとしていたのか、突き止めないとだね、学」
「名前で呼ぶか?ええよ。その方がしっくり来る位だ」
イヤホンにピン。
『問題無ければ戻ってくれ。情報に基づいて総意を集めたい……凄いぞ』
「アイ」
音楽を止め、2人は部屋を出た。
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