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魔法の姫君とはんてんの騎士(アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部) -128-

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「判りました」
 男達は屋上部の鉄扉に向かって銃口を向けた。相原の言った〝やったろうぜガチャン〟そのものである。
「ノブ、ロック部、ヒンジ部をプラズマで打ち抜いて溶かせ」
「アイ」
 プラズマ銃を抱えているのは相原だ。パン、パン、パンと音がして鉄扉のドアノブ部位と蝶番の位置に穴が空き、扉が支えを失って奥方へ倒れる。
「センサ感あり。迎撃されるぞ。レーザ」
 ドアパネル向こうの暗闇で何かが赤く光ったと思った次の瞬間、アリスタルコスの手先から無数のレーザ光条が突っ走り、応じて小さな煙や火の玉がチラチラする。対侵入者銃撃用の銃砲が無力化されたと理解した。
「全自動か、遠隔か」
「なるほど。外見ほど平和じゃねぇ(So, it's not as peaceful as it looks.)」
 レムリアは男達の口調で呟いた。
「いいノリだレムリア。だが無茶すんな」
 中へ入ろうとするとレムリアの端末……目の前のアームに付いてる小さなスクリーンに警告。
「炭酸ガス。高濃度。このまま入ると窒息します」
「総員ウェアを宇宙モードに切り替えろ。各自銃の燃料電池システムとガス交換システムを接続」
 銃の電源は燃料電池である。ここから電源をもらってウェアに仕込んである人工光合成システムを駆動し、呼気中から酸素を取り出す。酸素が不足した場合は燃料電池の発電用酸素を分配する(もちろん、その分だけ銃の駆動時間は減少する)。
「レムリアはリュックサックの底にシステム一式入っている。ウェアの後頭部にガス交換チューブをつなげ」
 その作業は相原が後ろに回ってやってくれている。
 〝空気の味〟が変わった。正直長く吸いたくはない。
「大丈夫です」
「行くぞ。突入」
 大男達が銃口を向けながら入り、次にレムリアが足を踏み入れる。殿は相原。足下から奥手は真っ暗だが、レムリアの場合透視に近い力が働き、夕闇程度に見て取れる。隅の方にドロドロに溶けて落ちたカメラと機関銃のなれの果て。その他はエレベータと脇に階段。
 人、というか生命の気配はない。逃げたか隠れたか。
 エレベータの動作音。
「上がって来るぞ」
「ロクなもん載ってねーだろ。壊す」
 相原はエレベータのドアに向かって火の玉銃を構える。
「いや、ケージがドカンの場合もある。落とせ」
「アイ」
 アルフォンススの言葉に相原がドアパネルに穴を開けた。
 穴の向こう、上下に動くケーブル類。
「アリス焼き切れ!」
「おう」
 アリスタルコスがその穴からレーザを放ってエレベータを動かしているワイヤーを焼き切る。

(つづく)

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