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魔法の姫君とはんてんの騎士(アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部) -152-

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 全身が熱くなる。何だろうこの恥ずかしさは。
「お、おい熱いのか?」
「そうだけどそうじゃなくて」
 何だこれ。
「不適合反応は起こってないから」
「オレの血が身体の中巡ってるって?」
 ぎゃー!
 図星という日本語を理解する。そう、自分はそれを意識して唐突に恥ずかしくなっている。
「そういう反応しなくてもいいだろ。どうせ二週間だかで全部入れ替わるんだろ血液って。脾臓ひぞうってそのためのもんだって聞いたぞ」
「でもさ。なんかさ」
 レムリアは下を向いてしまった。恥ずかしくてまともに顔が見られない。
 何で?
 自分が女だから?
 好きと言われたから?
「恥ずかしいって?」
「だって……あなたの一部なわけじゃん」
 ぎゃー!何言ってるんだ私。
「そういう捉え方するから赤くなるんだ。ガクジュツ的には単なる蛋白質と糖の分子の集合体に過ぎんだろうが」
 相原が心なしかニヤニヤ笑っているように見える。逆に主導権を取られたと感じる。
「で、でもDNAはあなたのものを持ってるわけじゃん。それが……」
「何が言いたいんだ、何が。血液細胞は自己繁殖はせんぞ。そーいうことは良く知っとるはずだろうが」
「でも……」
 言い返したいが、言い返したいために言葉を選ぶと逆に意識しちゃって空回り。
 何だこれ。自分、何だこれ。
 冷静さはどこ行った。
「じゃ返すか?血漿なんかもう同化してるから分離できんぞ」
「エッチ!」
 で、アカンベエ。ああこれいっぺんやってみたかった奴だ。
「あのなあ」
「傍から見てるとイチャ付いてるようにしか見えんわね」
 ノックがあって先程の看護師である。食事一式を載せたプラスティックのお盆と、何やら茶色の紙袋を持って立っている。
「はい食事持ってきたよ。あんたはこれね」
 はんてんの騎士には紙袋の中からあんパンがひとつ支給された。120円。消費税込み。
「あっと、お箸大丈夫だっけ」
「はい」
 レムリアのベッドにテーブルがセットされ、食事が置かれる。
 お盆の上は純和風。
「いただきます。あーおなかペコペコ」
「どうぞ。それとこれね」
 看護師は再び紙袋に手を入れる。それはレムリアのウェストポーチ。
「あ」
 レムリアは箸を置き、ポーチを手にした。
「どうもすいません」
「ベルトの所血が染みててね、クリーニング。さっき届いたのよ」
「綺麗に取れてます。で、あたしの名前はこれです」
 レムリアはポーチを開き、彼女が属する医療派遣団のIDカードを取り出した。
 相原がハッと気づいたように覗き込む。
「12歳。え?あらあなたもナース?なの?え?12歳で?」
「はい」
「メディア……ごめん、これなんて読むの?」
 レムリアは一呼吸おくと、看護師と、相原を見た。

(つづく)

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