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魔法の姫君とはんてんの騎士(アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部) -157-

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 レムリアはテレビを覗き込みながら言った。男性の頭があって画面がよく見えない。
「同じく何もなし。まぁあんなもの正体ばれたらえらいことだが。ちょっと借りるよ」
 相原は言うと、レムリアの衛星携帯電話を手にして窓際に向かった。
「Hello,this is Manabu-aihara from remlia's mobile phone.Please show me star-ship argo's status………yes……yes,Oh I know……that's famous company……yeah,I'll be slave from next spring.So thank you.And now Princess so well good-condition……yes,bye」
(雑訳:相原がレムリアのモバイルから通話です。アルゴ号の状態は?その会社なら知ってます来春からそこの奴隷。姫様はご機嫌麗しく。では失礼)
 相原は終話ボタンを押して戻った。
「本部の曰く鎌倉にある宇宙機やってる会社に保管中とさ。セキュリティからも妥当だろう……って、聞いてないな」
 レムリアはテレビの情報に集中している。詳しく知っても動けないが、気になる。人ごとではいられない。そのバスが遊園地に出かけた子供会の帰路と聞けば尚。
 コマーシャルになった。
 そこでベッド上の老男性が夫人の方を見、のっそりと起き上がり、咳をしながら部屋を出て行く。
「肺炎……」
 老男性の姿が見えなくなったところで、レムリアはぼそっと呟いた。
「しかもかなり悪い……やだな」
 レムリアは下唇を噛んだ。
「それは予感?」
「て言うか……あの人まさか……」
 レムリアは夫人の方を見た。夫人は椅子の上でこっくりこっくり居眠りをしている。
 男性は奥さんの居眠りを見計らって立ち上がったに相違ない。
「ヤバくね?」
 期せずして二人は顔を見合わせた。相原も自分と同じ懸念を持ったと理解する。
 数分後、男性が帰ってきたが、先程以上に咳が酷い。
 そして呼気に含まれる臭気。
 二人は頷き合った。
 男性はトイレか何かでタバコを吸ってきたのだった。タバコを吸う人間と吸わない人間では存在を感知する閾値が大いに異なる。喫煙者が皆無と感じる程でもあからさまという表現が使える。
「まずい……んだけど」
 レムリアは呟いた。老男性の咳はゴボゴボと泡立つような音だ。いや本当に泡が立っているのかも知れぬ。肺の中に発生しうる液体・水分とは即ち。
 男性はレムリアの視線に気付き、すぐに避けるように目を背けた。
 そしてベッドに潜り込み、息を押し殺すようにして咳をする。布団の大きな動きから呼吸が不調であることはすぐ判った。

(つづく)

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